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気働き

みなさん、こんにちは。
水曜日担当の、村山礼子です。
先週のブログ「雑用・雑務で差をつける」の中で「気働き」という言葉を使いました。

先週のブログでは、「気働き」については、深堀りしなかったので、
今回は、しっかりお伝えできれば…と思っています。


さて、みなさんは「気働き」という言葉はご存知だったでしょうか?
わたしは、社会人になりたての頃に聞いたので、強烈に記憶に刻まれています。

意味としては、その場に応じて「気が利く」こと、「機転がきく」ことです。

「気」という字は、気遣い、気配りなどの言葉にもつかわれますが、
調べると、「意識」や「こころの状態」を示す漢字だそうです。


気遣いは、自分の意識を利用して相手のためにする行為で、
気配りは、自分の意識を相手にアンテナを張って配る


そして、「気働き」は、自分の意識を相手に働かせること、
相手の心を読み取って、行動に移すという意味を持っています。


気遣い・気配り・気働き、いずれも同じ意味で扱われることが多いのですが、
常に「気」を相手に向けて、心を読み取り、その方のために行動することができれば、
人間関係に問題が起きることはおおよそ避けられるでしょうね。


千利休の「気働き」にまつわる話があります。
利休が奈良の蓮華寺を訪れた際の、若い僧侶との出来事です。

利休が喉が渇いていたため「お茶を一服ください」と、若い僧侶にお願いしたところ、
利休が喉が渇いている様子を読み取った僧侶は、一気に飲み干せる様に、普通の量よりも多く、
そして、「ぬるめ」のお茶を立てたものを提供しました。

利休がおかわりを頼むと、
今度は、ゆっくりお茶を味わえるように熱い湯で、逆に量は少なめにして、
濃いお茶を立てて提供しました。

利休はえらく関心をして、その僧侶を京都に連れ帰り茶人にしたというエピソードがあります。


この様に、「お茶をください」と言われて、ただお茶を提供するのではなく、

相手の状況を見て、相手のことを思い、相手に合わせたサービスの提供こそが、
これからの時代ますます、求められると思います。


今後、間違いなくAI化が進む中で、このケースで言えば、
ただ単に「お茶を出す」のであれば、「人」がしなくても、「ロボット」で十分なのです。


しかし、相手の状況を推し量り、その方に応じたサービスの提供は、
まさしく「人」にしかできない分野です。


何もかもひとまとめにして、テクノロジーの活用で効率化を図ることが、
会社、ひいては社会にとっての正解ではなく、「心」が必要とされない部分、人の持つ「心」が不可欠な部分


それぞれを、深めていくことが、それぞれの役割を明確化することに繋がると思います。

どちらかではなく、どちらも必要。

変化していかなければならない事、不変的でなければならないこと。
捨てるものは捨てて、残すべきものは残す。


気配り・目配り・心配り…全部が「気働き」

社会人として、大切なことを大切と思う感性を持ち続けたいと日々感じます。

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