5つの「不」
こんにちは、木曜日担当の村山汰成です。
今日も今日とて倫理法人会の勉強会に参加し、1つおもしろいお話がありましたので、書き留めておきたいと思います。
その方は公立高校の先生で、○○コースという大学でいう学部のようなものがある高校にて、自身の担当だったコースの入学者が3倍になった、という趣旨のお話でした。
公立高校の先生でありながら、「入学者を増やす」という課題においてマーケティング的な手法を用いて3倍の入学者さんを獲得され、
そのときに重要視した点を「5つの不」という言葉で表現されていました。
- 不安
- 不便
- 不都合
- 不満足
- 不快
マーケティング的な観点でこの5つを以下のように改善した先に顧客(入学希望者)獲得があるという意味でした。
不安を、安心へ。
不便を、便利へ。
不都合を、好都合へ。
不満足を、満足へ。
不快を、快適へ。
僕を含めみなさんしっかり意識したことはなかったのですが、無意識にこういったアプローチをされているのではないでしょうか。
話を大きくすると、
便利でなかった携帯電話を便利にすることがスマートフォン開発の始まりですし、
女性用の生理用品の進化などは不快を快適にする以外のなにものでもありません。
その学習コース入学検討者の一番の「不」は「不安」だったと仰られていました。
冒頭で出てきたコースでは、少し学費面で通常のコースより割高になるから入学者が伸びないと教職員の方は予想を立ててPDCAを2年間回されたようですが、
通常コース入学者に「なぜ○○コースを選ばなかったか」という趣旨のアンケートを実施したところ、「学習についていけるかが不安」が4割を超え、
次年度のオリエンテーションや説明会ではその不安を払拭するようなマーケティングを実施された結果、3倍という数字を叩き出したということでした。
特に、僕を含む若者は基本的に満たされています。
スマートフォンから日々膨大な量の情報を流し込まれ、必要とあらば瞬時に欲しい情報にアクセス出来うる状態です。
近年のマーケティングはモノではなく「体験」が大事ということがよくわかるお話でした。
モノから体験へ、モノからコトへ。
モノしか乗っていなかったカタログギフトなども、この間チラっと見たら体験型のコンテンツが多く掲載されていました。
ハイブランドより、UNIQLOが年々業績を伸ばしているのもうなずけます。
機能的な側面による、モノ的な価値より、心の豊かさ、コト的な価値が重要視されている近年において、
この学校では非常にうまく時代の流れを読み、それを実現できるほどの高校教諭の方の行動力にはとても驚きました。
もっというと、公立高校の先生だから驚きました。
心から生徒に、コト的な体験をしてほしいと思っている先生で、とても感動しました。