ブログ

「やりがい搾取」に気をつけて!

こんにちは。
水曜日担当の村山礼子です。

今回もわたしが知らなかったこと(ワード)解説シリーズでお届けします。

先日、ある経営者のお話の中に登場した、この「やりがい搾取」というワード。
特にそのワードについての説明はなく、みんなが知ってる…が前提で話は進んでいきました?

わたしの場合、今まで聞いたことがない言葉を耳にすると、その言葉が出た箇所で引っかかってしまって、その後の話がしばらく入ってこなくなるという特徴があるようで、

また、その初めて聞いた言葉を強烈に記憶するという特徴も有しているようです。

そのおかげで、今回の「わたしが知らなかったこと解説シリーズ」が始まった…という経緯です。


まず、この「やりがい搾取」とは?

やりがい搾取とは、「やりがいを強く前面に押し出すことによって、低賃金・長時間労働といった不利な条件での労働を引き出す構造」のこと。

雇用する側が、そこで働く人たちにとって「やりがい」を感じられるような仕組みを構築することは、決して悪いことではありません。

むしろ、雇用主として素晴らしいと思いますし、働く人にとっても最高の職場環境です。

高度成長期を支えてきた経営者の多くは、賃金、対価という人参で、労働者(人参につられて走る馬のように)を働かせることが、「普通」と判断される時代を作ってきた人たちです。

ただ、この様な考え方の経営者は時代の流れのなかで、淘汰されました。

経営者も時代と共に、変化せざるを得ない状況の中、社員のモチベーションを維持し続けられるようにと、日々頭を悩ませているのが現状です。

では、このポジティブな「やりがい」と、反対にネガティブなイメージの「搾取」

どうも、繋がらないので、もう少しわかりやすくお伝えしていきます。

「やりがい搾取」が行われる組織では、「お金のために働くのは良くないこと。お客様の満足や自分の成長、夢や仲間のために働こう!」という、価値観の刷り込みが、研修や朝礼を通してしきりに行われます。

ある居酒屋では、いたるところに社長が書いた、「相田みつお風」の色紙が飾られ、
そこには、「夢は必ず叶う」「最高の出会いに心から感謝」などと書かれていたと言います。

まるで、宗教のような雰囲気とサークル的なノリで、いつの間にか冷静な判断力は奪われ、自分の「夢」や「成長」を語りながら、

・みんなで、成長しよう!
・社会に貢献しよう!


と、熱くなり、低賃金、長時間労働もいとわず仕事にのめり込んで行くのだといいます。

みなさんもお気づきかもしれませんが、そのような場所には妙な熱狂や一体感があって、
「感動を一緒に味わおう!」的な熱いメッセージで溢れかえっている…

なんとなく、イメージしていただけたでしょうか。

誤解のないように付け加えておきますが、
このような環境の職場がすべて、「やりがい搾取」に繋がっているわけではありません。

きちんと、人材教育もし、正当な労働時間で、正当な賃金を支払っているのであれば、本当にやりがいのある職場でしょう。

そもそも、やりがいとは、

・業務を心から楽しむ気持ち
・与えられた役割を達成して、充実感を感じること

であって、

・仕事をする上でのモチベーションを高める
・個人の成長や継続力を高める

とても大事な要素です。

自分の仕事に「やりがい」を求めて働く姿勢は素晴らしいことですが、

それを、利用したり、餌にしたりする経営者がいるのも現実です。

得てして、真面目なひと、新入社員は、やりがい搾取の被害者になりやすいようです。


違和感のある一体感を強要される、自分のことは後回しにするのが美徳など、
労働時間や賃金に目を向けさせないようにする雰囲気を感じ取っているとしたら、
自分の置かれている環境に疑問を持つことが大切です。


いつか、改善されることはない…を前提に行動しましょう!

最後に、
「やりがいとは、他人に押し付けられるものではなく、自分で見つけて、自らのために使うもの」です。

ShigAppsチャンネルはこちら
close